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なんとなく愚痴3 [健康・病気]

 今から十数年前、整形外科で足のオペを受けた。
 執刀医は当時研修医。
 相当なレアもの症例だったらしく、摘出した患部を無事にゲットした執刀医は大喜び
 下半身麻酔だったため意識がある私に摘出したブツを見せて、正常な組織とどう違うのか宇宙語にしか聞こえない専門用語を連発しながら解説してくれ、今後このブツがどのような経緯をたどるかまでそれは嬉しそうに報告してくれた。
 そう言うこともあり、良くも悪くも記憶に残る患者だったようだ。
 退院するまで石膏ギブスだったため、見舞いに来た姉がよく落書きしていたっけ。
 他の入院患者にも笑われたけど、執刀医も笑っていた。
 まぁ、そんなことはどうでもいいけど。

 翌年の春、手をねんざしてもう一度その病院にかかったところ、執刀医は入れ違い状態で転勤していた。
 ‥が、ナースが私のことを覚えていて
「あら、qinちゃん。
 久しぶりね、受験はどうだったの?」
「あ、おかげさまで本命に合格しました。じき京都に行きます」
「そう、良かったわ。
 執刀医先生ね、心配してらしてよ。
 センター試験の頃から新聞やTVを見ては
 「あの子、受験生だったんだよな。
  どうだったのかなー、受かったのかなー、受かってるといいなー」
 ずっとそう言っててね、そう言いながら転勤していったのよ」

 私は病院のことを綺麗さっぱり忘れていたが、向こうは私のことを忘れていなかった。
 それを知った時の罪悪感はかなりのものだった。
 せめて本命に合格したということくらいは伝えたかったなー、と思いつつ現在に至る。

 入院当時は浪人生。
 オペと聞かされた時は
「げっ、最悪。よりによってこんな時に!?」
 と思ったものだけど、今にして思えば一番いい時期に切ったのだろう。
 高校生だったら毎日送り迎えしてもらわないとならないし(駅から高校までかなり遠い)、大学生になってからだったらどうしても休学しなければならない。
 それを思うと、やっぱりこの時期しかないのだ。
 おそらく就職浪人中のオペだったら自衛官の採用試験には絶対に通ってなかったと思われる。
 採用試験の時に足のオペのことを根掘り葉掘り聞かれまくって
「動くよ、走るよ、本当に大丈夫なんだね?」
 としつこく念を押されたからである。
 実際、連日の走り込み炎天下での行軍にも足は耐えた。

 そしてかなり薄くなった傷跡を見るたびにこれらのことを思い出したりする。
 とはいっても現在勤めている病院もフルネームも分からないのにどうしようもないよね、という感じだった。

--

 ところで今日、母と電話で喋っていたら
「私の友達が今度××病院でオペを受けるんだけど、執刀医はあんたをオペした人みたいよ?
 苗字も同じだし当時から腕ききって評判だったもんね~(^^)」
 その病院のサイトを開いてみたところ、出ている写真は確かになんとなく記憶に残っている顔と重なる。
 あの時研修医だった医師も、現在は整形外科のセンター長として名を連ねていた。
 だけど実際に勤めている病院とフルネームをゲットしたらかえってどうしよう? という気分になってしまった。
 研修医時代の患者なんてさすがにもう、覚えていないよね‥ たぶん‥‥

 一言お礼は言いたいけれど、今更って気もしないでもないしなぁ‥
 さて、どうしよう?(?_?)
nice!(13)  コメント(10) 

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コメント 10

okko

そりゃあ、覚えていらっしゃいますよ、なんたって、「レアもの」だったんですから・・・・レアの正体、知りたいよ~。
迷わずにご挨拶、喜んでくださいますよ、ゼッタイ!
by okko (2008-12-12 17:26) 

春分

よろこばれると思います。よろこばせてあげるのはいいことでしょう。
by 春分 (2008-12-12 19:06) 

京男

おはようございます。
そんなこともあるのね。
ぜひあいさつをしたらいいと思う。
きっとスッとするだろうな。
by 京男 (2008-12-13 04:44) 

とり

シャンプーでお洗濯の件、本当にありがとうございました。
あの記事を拝見していなかったら、母1人で行動してトラブルになってたかも。感謝です。

>摘出したブツを見せて大喜び
うら若き女性にこういうことするんですね~。(@Д@)
ここまで入り込んでる方だからこそ名医ということなのでしょうか。
不謹慎な表現で申し訳ありませんが、
qinさんのブログは、こういうズレについての記述が面白いです^^
by とり (2008-12-13 08:43) 

テレマーカー

そりゃあ挨拶したら楽しいブログネタ・・・(。_゜)☆\(`-´メ)
結構覚えているもんですよ(^^
by テレマーカー (2008-12-13 13:32) 

ハイマン

私は急性盲腸受験直前にかかり
本命試験受けられなかった。。。。。。。。。
by ハイマン (2008-12-13 21:58) 

がま親分

覚えていると思いますー。
インパクトあったんですよね、qin さん。(爆)
by がま親分 (2008-12-14 12:35) 

せつこ

印象の強い子は覚えていると思いますよ。
by せつこ (2008-12-14 21:24) 

qin

xml_xslさん、shinさん、takemoviesさん
ナイスをありがとうございます。

okkoさん
興味があったらそのうちに書きますが、原因はいわゆる「成長期のトラブル」です。
最期の通院の日に
「そんなに珍しかったんですか?」と聞いたらにやりと笑って
「極めてまれだね」
‥忘れようがないかも、と改めて思いました。(_;)

春分さん
出すかどうかはともかく、なんとなくとりとめのない文章をwordにちまちまと打ち込んでおります。
心が決まったら印刷して投函しようかと。
十数年も前の患者ですが、喜んでくれるかしら?

京男さん
向こうがどうかはわかりませんが、私自身はすっきりするかも知れません。(^-^;
実際に分かってしまったらかえって慌ててしまったという感じです。

とりさん
裏ワザがお役に立って良かったです。(^^)
喜んでいただけてこちらも嬉しいです。
ところでこちらも相当好奇心旺盛ですから摘出したブツを見せてもらうのは一向に構わないんです。
が、「バケラッタ」にしか聞こえない専門用語で解説された時はこちらも反応に困りました。(^^;
こう書くと周囲は「おいおい」と言う感じでしょうが、命に別条がない限りこの手のピンチもアクシデントの一つとネタと解釈してしまうので、どうしても笑いの取れる描写になってしまうのかも知れません。

テレマーカーさん
やっぱり覚えてますかね‥
確かに投函した、もしくは連絡があった、となったらそれも見事なブログネタ。
でもちょっと迷っていたりして。

ハイマンさん
うわぁ、急性盲腸炎とはそれは災難‥
そのあとはどうなったのでしょうか?
対抗? 大穴? 滑り止め? 浪人?

がま親分さん
患者としてもインパクトあったと思いますが、なにより症例が珍しかったらしいです。
摘出した組織を調べ倒すことが今後の医学にどのように貢献なるかと滅茶苦茶熱く語ってましたよ。
たぶん私自身ではなくあの症例の人、という感じで記憶に残っている予感。

くらいふさん
ナイスをありがとうございます。

せつこさん
やっぱり覚えているかしら。
いえ、でも、本当に昔なんですよ。
でも症例は忘れようがないかしら。
by qin (2008-12-15 13:59) 

qin

ゴーパ1号さん
ナイスをありがとうございます
by qin (2008-12-17 08:25) 

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