ショートコント３（前半）

　先日、薬をもらいに久々に病院に行った。
　そうしたらこの時の医師にばったり会った。
　向こうは一瞬「げっ！」という表情になったが、すぐに平然とした表情を作り、少し頬を引きつらせ目を泳がせながらも悠然とその場を去って行った。
　１年近く前の話だけど、私のことは覚えていたらしい。

　この医師を見て色々と思いだしたことがあるので、この手の小ネタ集をだしてみる。
　ちなみに結局病院は変えませんでした。
　ブログを読んだ母は大笑いしながらも
「災難だったけど、それは別件でしょ？
　主治医がミスしたわけじゃないんだからこれくらいでギャーギャー言いなさんな」
　そう言うことから結局今の病院にお世話になっていたりする。


　私qinはいままで何度かオペを受けてます。
　と言っても深刻なものではなくいずれも
「このまま放っておいても生命活動にも日常生活にも全く支障はきたしません。
　でも薬では治せないし、長い目で見れば今抱えているものがいつか何かしらの影響を引き起こすことは十分に考えられ、そういう事態になったら確実に大がかりなオペになります」
　と言ったもの。

　今切れば処置も入院期間も体の負担も最低限で済む、とのことなので
「あぁ、じゃあ早いうちに切ってください」
　こんな感じでオペに至る。

　ところで数年前のこと、健康診断で上記にあるように「放っておいても問題ないけど、いずれは何かしらの決着をつけなければならない」状態にあることが分かった。
　ちなみに近所の総合病院ではその症例を腹腔鏡（マジックハンドをお腹に入れてやるオペ）で対応しており、かなりの成果を上げていると知った。
　腹腔鏡なら３泊~４泊で出られるというし、と思い切ってその病院にかかった。
　検査結果はやはり今のうちにオペをしてしまった方が後々楽だろう、と言ったもの。
　そんな時、まだ若い担当医師はこんなことを言い出した。
「オペをするだけなら当院で十分に対応できます。
　ですがqinさんの場合、今後のことを考えるとここの系列病院よりも、中央病院でやった方がいいと思うんです」
　とのこと。
「了解しました。そう言うことでしたら中央に行きますよ。
　中央病院でもオペは腹腔鏡で出来るんですよね？」
「はい、もちろん不測の事態が起きた時は開腹に切り替える場合もありますが、検査結果を見る限りは大丈夫だと思われます」
「あら、よかった。
　前に別件でオペをした時、５~６ｃｍしか切らないというからオペに同意したというのに、傷跡を見たらやたら大きくてナースの目を盗んでこっそり定規を当てたら９．７ｃｍあったんですよ。
　腹腔鏡でしたらそんな心配することもないんですね。（^^）」
　‥‥‥‥‥。
　医師はしばらく固まった後、
「今から紹介状を書きますので少しお待ちください」
　ぶっきらぼうに言い捨てて私に背中を向けた。
　ポーカーフェイスを意識したのだろうが、肩と声と肘が力いっぱい震えていた。

　何に？　と聞かれたら答えに詰まるがその後ろ姿に
「勝った」
　と思ってしまったのは何故だろう。

　笑いをこらえながら一生懸命書いたんだろうな。
　渡された紹介状はアラビア文字のようだった。（笑）

　後半へ続く。

コメント 6

次の展開が楽しみだぞ～～～ッ！
by okko (2009-04-06 16:43) 

あ、そう言うことってありますよね～。
例えば「目立たないように細い糸で縫っときました。」って言われて傷口見たら凧糸みたいなので縫ってあったり。＾＾；
by エルモ (2009-04-06 18:06) 

こんばんは。
病院関係では色んなエピソードがあるな。
私のブログネタにはできないけど。
続きが楽しみ。
by 京男 (2009-04-06 20:36) 

アラビア文字！（爆）
by とり (2009-04-07 07:17) 

Shoueiさん、xml_xslさん
ナイスをありがとうございます。

okkoさん
この後も「ちょっと待て！！」と思わず言ってしまいたくなりそうなネタが続きます。
しばしお待ちくださいませ。

エルモさん
ありそうですね。
でもタコ糸のような糸で細いと言ったら、標準って一体どんなサイズ‥(^^;

京男さん
他にも結構笑えるエピソードがあります。
うまくまとめられたらそのうちに出してみようかと。

ごんちゃんさん
ナイスをありがとうございます。

とりさん
たぶんこの一言でどんな感じだったかお分かりいただけるのではないかと。
からかったつもりはなかったんですけどねぇ。(^-^;

yuki999さん
ナイスをありがとうございます。
by qin (2009-04-08 19:45) 

春分さん、がま親分さん
ナイスをありがとうございます。
by qin (2009-04-12 19:28)