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ショートコント [自衛隊小ネタ]

 最初に一言。
 中には具体的な名前なども出てくるけれど、悪い意味で言っているのではないので敢えてそのまま書きます。
 それから人づてに聞いた話なので、間違った情報があったら一報いただけると幸いです。

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男と女5 [自衛隊小ネタ]

 6月30日のブログでレンジャー訓練風景について書いた。
 それなりに好評だったと思うし、話を聞いた友人も「面白い」と言ってくれた。
 あの記事ではレンジャー訓練のお兄さんたちのことについて書かなかったが、私たちの拍手と黄色い声援を聞いて心なしかしゃきっとするお兄さん達。
 後ろからジープで叱咤激励を飛ばしている教官たちも
「お前ら、女の子たちが見てる前で無様な格好さらすんじゃねーぞ」
「レンジャーッ!!」
 というやり取りも見られた。

 これらの話をしたうえで、友人とハードな訓練中の女性自衛官たちを一瞬でしゃきっとさせるにはどういう手段が有効かという話になった。
 前も書いたが、むさい人に拍手で迎えられ、だみ声で応援されても嬉しくないというのがある。
「だったらイケメンだったらやる気がでるんじゃない?」
 基本的に帽子やヘルメット系は相当目深にかぶるので、ぱっと見で美形かそうでないかの判別は難しい。
「ホスト系の人は?」
『ラーメン、つけ麺、僕イケメンOK!』
 なんて言いながら目の前にバラなんか出された日には、エネルギーが出てくるどころか脱力してその場にへたり込むわよ」
「まぁ、それは例えが極端すぎるけどね‥(^-^;)」
 注:狩野さん、ごめんなさい。

 そんな時、友人がふと何かを思いついたように口を開いた。
「あ、でも
 「このハイポート(ランニング)をやり遂げたらアイスクリーム食べ放題だぞ」
 とか言われたら、しゃきっとするかも。
 ジュース飲み放題でもいいわねぇ[バー]
 ‥‥‥‥。
 なるほど、それは有効かも。

 その話を久しぶりに会った別の古い友人にしてみた。
 私の話を黙って聞いていた彼女は
「あ、それは女性に有効かもね。それこそ
 『上位10名までデザートバイキングおごり!』
 なんて言われたら私だって
 うぉぉぉぉぉーーーーっ!!
 なんて叫びながらでも走っちゃうかも~[黒ハート]
 ‥‥‥‥。
 私も一瞬同じことを考えた。(笑)

 結論:女は精神的なものより物理的なものに反応するシビアな生き物だ

男と女4 [自衛隊小ネタ]

 教育隊にいたころのこと。
 食堂に行こうと部隊内をぽてぽて歩いているときに突然背後から呼び止められた。
「ちょっと君たち。今、時間あるかな?」
 振り向くと物々しい雰囲気の面識のない上官。
「少しくらいなら大丈夫ですが‥‥」

「(何の用だろう?)」
 と思いながら足を止めると、その上官はこんなことを言い出した。
「これからレンジャー訓練中のお兄さん達がここを通るんだ。
 お兄さん達が通る時、君たちに力一杯応援してもらいたいんだけど、お願いできるかな」
「そう言うことなら喜んで。
 営内のみんなを呼んできますよ」
 女性自衛官たちが沿道にずらーっと並んで待っていると、やがて道路の向こうからジープと人影が。
 そう、ハイポート中(銃を持って走ること、レンジャー訓練中前半総仕上げで20kmハイポートをやる)のお兄さん達である。
「きゃーっ、頑張ってくださーい!!!」
「応援してますーーっ!!!!」
「すごいですぅ、頑張ってください!!」
 お兄さん達が通ると大きな拍手黄色い声援で出迎え&送りだすのだ。
 姿が見えなくなるとあっさり解散。
 こういった光景に2~3度出くわした。

--

 ところで部隊にいたころ、かわいがってくれたとある上官が元レンジャー教官という経歴の持ち主と知った。
 その上官と雑談をしていた時に「そういえば‥」と教育隊時代に見たレンジャー訓練の話をしたところ
「あぁ、あれは最終手段なんだ。
 女の子たちの黄色い声援と拍手、あれは効く。
 上官たちのへたな叱咤激励よりもよほど効く。
 だから彼らの様子を見て限界超えたな、と思った時にお願いするんだ」
 その上官も経験者なのだろうか、力一杯納得しながら何度も頷いていた。

 要するに私たちはカンフル剤だったわけね。

 この時の話を友人にしたところ
「う~ん、なんとなくわかるような気がするな。
 女の子の黄色い声援ならやる気もでるけど、むさい男たちに拍手で迎えられ、だみ声で励まされてもちっとも嬉しくないのでは」
 そんなもんですか。

 私たちはどうだったかな?
 ‥‥‥‥。←思い出している
 ここまで大勢に励まされた記憶がない。
 経験がないから分からないけど、お兄さん達に拍手で迎えられ、太い声で
「頑張れ!!」
 と口々に言われたら、少しはやる気が出たのだろうか。

食と自衛官3 [自衛隊小ネタ]

 スコッチエッグという料理をご存じだろうか。
 ゆで卵にハンバーグ生地のようなものを包み込んで焼き、トマトなどで煮込む料理である。
 ちなみに私がこの料理を知ったのは入隊してから。←実家はひたすら和食だったので
 部隊にいたころ、食堂で何度かお目にかかった。

 退職してしばらく経った時のこと。
 ある時、スーパーのお総菜コーナーを見て、激しいカルチャーショックを受けた。
 そう、世間一般のスコッチエッグはウズラの卵である。
 でも、自衛隊のスコッチエッグはニワトリの卵なんです。
 ニワトリの卵だから、サイズは私の拳骨くらいあったんじゃないかしら。
 実際、メインディッシュで食べるとなると半分で十分なくらい。
 1つあればそれだけでお腹がいっぱいになった。
 そのことを思い出しながらあれは自衛隊仕様だったのね‥と納得しつつ、ある時ダンナにお総菜コーナーでカルチャーショックを受けたことを話した。

「部隊のスコッチエッグってかなりおいしかったけど、私には大きすぎたな。
 あれはやっぱり自衛隊仕様だったんだね」
「え、大きかった?
 俺はあのくらいがちょうどよかったけどな。
 と、いうか2つ3つくらいぺろっと入るのに、あんな小さいウズラの卵じゃお腹がふくれないでしょ」
 さすが体が資本の世界、料理も相当のボリュームなんだなとしみじみ感じた。

 ついでに警察や消防、海上保安庁などの体が資本の職場ではやっぱり職場仕様の料理ってあるのだろうか。


男と女2 [自衛隊小ネタ]

 今更言うまでもないが、自衛隊は男の世界である。
 なので「仕事では女と言うことを忘れろ」みたいなことを言われたりする。
 しかし女であることを棄ててもいけないらしいのだ。
 男社会故の願望と幻想なのかも知れないが、わかりやすく言うと
「始業ラッパが鳴ったらソルジャーになれ、終業ラッパが鳴ったら女に戻れ」
 と言うことなのである。
 ‥‥‥‥。
 電気のスイッチじゃあるまいし、そうそう簡単に切り替えなんぞできるか!!!
 教育隊にいた頃、そう言ってブチ切れたのは他ならぬ私自身である。

 先日のブログで教育隊にいた頃、角刈りにしてしまった女性自衛官が居たと言うことを書いた。
 それを見た助教(直属の教育係)は
「何てことするのよーーーっ!!!」
 と半ば絶叫していた。
 そう、終業ラッパが鳴ったら女性に戻るのが理想な自衛隊の世界では「女の要素」も残していなければ宜しくないらしいのだ。
 確かに角刈りにしてしまえば女スイッチが入ることはないだろう。
 本人にしてみればちょっぴり「ざまぁ見ろ(^^)」的なモノもあったのではないだろうか。

 ところで前期教育(広く浅く、基本的なこと全般をやる)は女性のみで教育を受ける。
 なので「男に負けるな」的なことを上官達に散々言われる。
 後期教育は男性隊員と一緒の教育になるけれど、職種の専門教育なので知識的に知っておいて貰わなければならないからと言うことで男性隊員と全く同等の扱いを受ける。
 これらの教育を経て部隊配属。
 そして部隊では普通に女性として扱われる。
 教育隊は殆ど年齢の変わらない若手ばかりだけれど、部隊では既婚者が多く、また私たちと変わらない年齢の娘さんを持つおじさん隊員なんかもいるから向こうにしてみれば当然の接し方なのだろう。
 それは分かる。
 ‥が、久しく女性扱いされていなかったため、しばらくの間普通に女性扱いされたことに正直なところ、戸惑ってしまった。(^-^;

 ちなみに男も女もない、と言いながらVIPが来ると接遇係(言わずと知れたお世話係)は若い女性自衛官が指名される。
 私も何度か経験している。
 まぁ、私の場合は上官相手でも動じないふてぶてしさを買われたのだと思うけど。
 上官達も
「女性だからお世話係、とか言うんじゃないからね。
 むさくてごつい男性隊員よりも、若くて可愛い女性隊員に出して貰う方がお茶も美味しく飲めるだろうからお願いするだけであって、女性隊員だからって決してお茶くみ要員認定しているわけではないから‥ごにょごにょ」
 と、上官として精一杯気を使ってくれているコメントまでしてくれる人もいる。
 そう、やはり中には
「男女同権と言いながら、女性隊員だけにそのような仕事をさせるのですか?」
 と噛みつく人もいるらしいのだ。

 そんな話をダンナとする。
「まぁ、お偉いさん達が気を使うのも分からないではないけどね。
 中にはそう言って突っぱねる女性隊員もいるわけだし。(^-^;
 だから部隊によっては男性隊員に接遇係をさせるところもあるよ?」
「ふぅん? でも接遇係とか言うのは適材適所なんじゃない?
 それに折角女性として扱ってくれるのだったら、そのように振る舞った方が向こうにとっても気持ちがいいだろうし」
「そのように割り切れるのなら楽なんだけどね。
 みんなが君みたいに割り切った考えが出来るわけではないから」

 とは言え、私自身も此処まで悟るのにはちょっと時間がかかった。
 それである時上官達にそれとなく聞いてみたことがあるのである。
 そう、こっちがいくらソルジャーモードに入ってスイッチを切り替えたとしても、男性隊員から見たらやっぱり女性は女性のままなのだ。
 女を棄てたところで男になれるわけじゃないし、男性隊員と同じ仕事が出来るわけでもない。
 それに「男装の麗人」になれるのならいいけれど、色気も何もない「女を棄てたなれの果て」になるのがオチである。←ごめんなさい。
 だから女性扱いされるのなら女性として開き直るのが一番いいのではないか、そう自分なりに結論づけたのだ。
 男の世界に飛び込む少数派なのだからそれなりに無理はあるのだろう。
 甘えを断ち切るという意味で「男に負けるな」「女を棄てろ」と言うのは分かる気はするけれど、それを実行するのはどだい無理な話と言えよう。

 結論:世の中は矛盾と欺瞞に満ちている


イメージと偏見2 [自衛隊小ネタ]

 ここ数年、大学のOB会に顔を出すべく、毎年京都へ行っている。
 陸自もイラクから無事に撤退したこともあり、今年はあまり質問はされなかったが、やっぱり9.11テロやサマワ派遣の頃は随分と色んな事を仲間達に聞かれたものである。
 実はまだイラク派遣は続いているが、それは意外と知られていないらしい。
 まぁ、それはいいとして。

 仕事柄、夫は確かに不在がちだ。
 おまけに宴会も多い。
 でも『交際も仕事』と思っているし、それを承知で結婚したんだから別に不満があるわけでもない。
 不在なら不在で、その間は実家に帰るとか友達と遊ぶとか姉宅に行くとかこちらも色々と選択肢があるわけである。

 だけどこういう生活が想像つかないらしい先輩にあるとき、こんな質問をされてしまった。
「ダンナさん、不在なことも多いんやろ?
 浮気したくなったりしない?
 ‥‥‥‥。
 それは不在がちな夫を持つ全ての妻に対して失礼な発言にあたると思うのですが?
 引きつった笑顔で
「ないですよ。不在と言っても向こうは仕事をしているんですから」
 と答えたところ、その先輩は何となく納得行かなさそうな顔。
 そして横で話を聞いていた別の先輩がこんな事を言いだした。
「いくら何でも現職の軍人妻に手ェ出そうなんてチャレンジャーはおらんやろ。
 仕返しが怖そうやん?」
「‥‥‥‥」
 その先輩のイメージを要約するとこう言うことらしい。

 仮に私が浮気して、ダンナがそれを知った場合。
 ある日、浮気相手が道を一人で歩いていたところ、戦闘服をだらしなく着崩して木刀を肩に引っかけたマッチョな兄ちゃん数名が突然目の前に「ザッ」と現れ
「おぅ、上官の奥さんに手ェ出したってのはお前か」
「やっちまえ!」
 とその場で袋叩きにされてしまいそうだというのだ。

 ‥‥‥‥。
 えーっと、一般人から見た自衛官ってこういうイメージなのでしょうか。
『戦闘服をだらしなく着崩し肩から木刀を下げている』
 そんな自衛官はおりません。
 と、言うかそれは愚連隊であって自衛隊ではありません

 でも面白いから、と言う理由ではっきり否定はしなかった私。
 やっぱりきちんと説明するべきだったのかしら‥‥


ご職業は何ですか? [自衛隊小ネタ]

 その人の持つ雰囲気で何となく職業が分かる――
 こういうことはそんなに珍しいことではないだろう。
 実際(確認を取ったことはないが)
「(あ、あの人同業者(自衛官)だろうな)」
 その人を見ただけでそう感じることもたまにある。
 ならばその職業に見えない人はどう対処すればいいのだろうか?

--

 ところで今日はインデペンデンス・デイである。
 と、いうわけでこの時期になると必ず思い出すなつかしい一コマを書いてみる。

 入る課程によって違うけれど自衛隊の教育では前期後期と言うものがある。
 前期は自衛官全般の知識と訓練。
 自衛隊法などの一般教養から、敬礼や行進などの教練や行軍、武器の扱いと手入れ、銃を持って走り藪や泥の中を匍匐前進する戦闘訓練などである。
 後期は職種の専門的な教育。
 全国の部隊から同じ職種の人が一カ所に集まり、一緒に教育を受けるのだ。
 だから男性隊員と一緒に勉強をするのも後期からになる。

 後期教育を受けるべく新たな部隊へ配属されたばかりの頃のこと。
 部隊から割と近いところに米軍基地がある、と言うことで同期2名と助教(直属の教育係)の4名で基地見学に出かけたことがあった。(女は私だけ)
 聞いた話では自衛官の身分証を見せると基地にも入ることが出来るとのこと。
 身分証を見せてゲートを通過し、手持ちのお金をドルに替えてもらってから基地内をあちこち散策する。
 確かに雰囲気は自衛隊のそれとは違う。
 本当にここはアメリカなんだな、と不思議な印象を持った。

 折しも時間はお昼時。
 どこかから肉を焼くいい匂いが漂ってくる。
「折角だからどこかで食事をしてから帰ろう」
 とバイキングに入った。
「うわ、さすが米軍。肉ばっかり」
「あっちにはごっついケーキがあるぜ」
「全部食べたらくどさのあまり、もれなく胸焼け胃もたれになりそうなメニューまで」
「それにしても豪華だな。部隊の食事とは大違いだよ」
 好き勝手なことを言いながらひたすら食べる私たち。

 しかしメニューがごつかった理由がすぐに分かる。
 この日は独立記念日。インデペンデンス・デイだったのだ。
 だからメニューが豪華版だったらしいのだ。
「なるほどね。
 だからただでかいだけのぱさぱさスポンジケーキに、極彩色の色を付けた甘いだけのごってりバタークリームでアメリカの国土やら旗をごてごてデコレーションしたケーキが置いてあるのね
 上記の理由でこのケーキを皿によそったことを力一杯後悔しながら、まだ皿に少し残るケーキをコーヒーで無理矢理胃に流し込んでいたところ、突然流暢な日本語で話しかけられた。
 声の方向に顔を向けるとそこには掃除婦の格好をしたどう見ても日本人のおばちゃんが。
 しかも何が気に入らないのか仏頂面で口調もかなり苛ついているようだった。

「あんたたち、勝手に入って良いと思ってんの?」
「?」
「家族はどこ?」
「??」
「休憩時間?」
「???」
「どこから来たの? どこから入ってきたのよ!?」
「????」

 意味が分からずみんなで顔を見合わせていたところそのおばちゃん、はっとした顔になり唐突に
「あんたら、ひょっとして自衛官?
 全員が無言で身分証を提示する。
 「しまった」と言う表情のまま、なにやらごにょごにょと聞き取れない言葉を言いながら、そのおばちゃんは逃げるようにそそくさとその場を去っていった。
 その様子を見て、やっとおばちゃんの質問の意図が分かった私たち。

「今の言葉から察するにここで働く日本人スタッフの家族と間違えられた、ってことですよね」
「‥つまり、全員自衛官に見えなかった、ってことですか」
「一人くらいマッチョを連れてくるべきだったかな」
「つーか、全員が見えなかったってショックなんですけど」
 まぁ、確かにその場にいた男性は中肉中背、どちらかと言えば細身の人たちばかりである。
 何とも言えない気分のまま、言葉少なくとぼとぼと基地を後にした私たちだった。


続・甘い誘惑 [自衛隊小ネタ]

 帰省前、結局甘い誘惑に勝てず防衛庁の施設にチョコレートを買いに行った。
 しかし、陸と海、防衛大学校のチョコレートはあるけれど空自は売り切れとのこと。
「(残念だなぁ)」
 と思いながら陸と海だけ買って帰る。

 さて、実家にて。
「たぶん開けたら笑うと思うよ」
 そう言いながら母に包みを渡す。

「えー、どんなのかしら(^0^)」
 ワクワクしながら箱を開けた瞬間
「あら、面白~い。こんなの初めて見た。ちゃんとマークが入ってる」
 こんなのでした。

 拡大図。
 陸自ヴァージョン
 

 海自ヴァージョン
 

 甘い誘惑、届いてますか?


食と自衛官2 [自衛隊小ネタ]

 私が部隊内で生活していたときのこと。

 私がいたところは良い意味で結束が固く、何かしらの機会やちょっとしたイベントがあると
「みんなで食事でも行こうか
 なんてことをやっていた。
 そんなある時
「行けるメンバーでお食事に行こうよ」
 と言うことになり、誘ってくれた先輩が
「ここお勧めなの(^^)」
 と予約を入れてくれたお店は近場のイタリアン。
 コース料理を予約したらしく次々と運ばれてくる料理。
 みんなで取り皿に平等に取り分けて話も進み、料理も進む。
 傍らには空いた皿が数枚重ねられていた。

 と、突然
「当店からのサービスでございます」
 とウェイターさんが大きなピッツァを持ってきた。
「え? オーダーしてないわ」
 と躊躇していると
「料理長からのサービスでございます。お代は結構ですのでどうぞ」
 とお兄さんはにっこり。
 笑顔に押し切られる感じでお皿を受け取り全員で
「「「「「どうもありがとうございます!(^^)」」」」」
 とありがたく頂くことに。
 みんなでピッツァをわけ、大皿は瞬く間に傍らの皿の仲間入り。
「どうしたんだろうねー」
「サービスいいよねー(^^)」
 と予想外の出来事に盛り上がっていたところ、周囲をきょろきょろしていた先輩の一人が
「ねぇ‥ ひょっとして私たちの食べるペースがあまりにも速すぎて料理がついていけなくなったんじゃない?
それで時間稼ぎというか場を持たせるために持ってきたんじゃないかしら?」
 一同フリーズ(_;)

 確かに周囲を見てみると私たちの料理のペースは圧倒的に速い。
 オードブルなどに至っては来ると同時に取り分けてまたたく間に消える、と言う感じである。
 メイク、洋服をばっちり決めてる女性集団が笑顔、おしゃべりをしながら速攻で料理を片づける様はかなり異様な光景だったのではなかろうか。
 イメージで言うなら
「水槽に唐揚げを放り込んだ直後の上品なピラニア(爆笑)」
 と言うところだろう。
 結局、料理長の苦肉の策(?)もそんなに時間稼ぎにはならなかったのであった。

 そのことに気付いてから急に食事のペースが落ち、会話も少なくなってうつむきがちになってしまったことは言うまでもない。
「やっぱり‥ 閉鎖された環境でいると(訳:部隊内での生活をしていると)一般人と感覚がかけ離れてしまうものなのね‥‥(--;;;)」
 と改めて実感した。


食と自衛官1 [自衛隊小ネタ]

 HDDを色々と見ていたら、以前HPで出していたネタの原稿を色々と見つけた。
 機会があったらまた整理してHPに出したいと思いつつ、そのままになっていたのでせっかくだからこっちに出してみることに。

 ところで最初に一言。
 まず自衛隊というのはある意味特殊な世界なので本人の気付かないうちに一般人と感覚がかけ離れてしまうことがあります。
 そして一般人の常識を聞いて改めて「あれ? ずれてた?」と再認識したりすることも。
 そう言う意味をふまえて読んでいただければ幸いです。

--

 在職中、作者はちょっと入院しなければならなくなったことがありました。
 ちなみに諸事情から民間の病院。
 そして収容先は色んな病棟の患者さんが集まった大部屋でした。
 確か6人部屋で、同部屋の患者さんは糖尿病(食事療養中)、尿管結石、骨折、婦人病etc.
 おそらく「入院はさせておかなければならないけれど、それほど気を使う必要のない患者」という扱いだったのではなかろうか。

 当然周囲の人はその辺のおばちゃん&おばーちゃん。
更に糖尿病の人以外は殆ど食事制限に縁がない人ばかりである。

 そしてその日の昼食。
 私にとっては最初の病院食である。
 確かメニューが
・ご飯
・みそ汁
・野菜の煮付け
・唐揚げ(2、3個)
・サラダ
・漬け物
・佃煮
・お茶
 こんな感じだったはず。

 品数は多いけれど一つの料理の量は少なめだし、野菜中心で味付けもあっさり和食系。
「うわぁ、さっすが病院食。滅茶苦茶ヘルシー(^^)」
 と感動していたら隣のベッドのおばちゃん(推定30代後半から40代前半)から
「はぁぁ、またこんなにいっぱい。全部食べたら太っちゃうじゃない
 とのぼやき声。
「?」
 とばれないようにそのおばちゃんのメニューをちらりと見たら‥‥
 基本的には私と同じメニューだった。

 違う点と言ったらそのおばちゃんの食事には唐揚げがなかったってことと私のより1皿少なかったってことくらいだったかな?(^^;;;

 この時私は自分の感覚が一般人とかけ離れつつあることを知った。


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